東京のアカオアルミさん本社工場から車で移動すること約1時間。
とうとうやってきました足利工場へ!
早速にやかん製造の工程を見学させて頂きます。
まずは本社工場で製造したまん丸のアルミ素材を金型でプレスします。一瞬で寸胴なべのような形ができあがります。まだまだ、やかんの面影はありませんね。
2軸スピニングマシンにセットして5分間かけて、ゆっくりと丸い形に伸ばしていきます。写真の黄色い部分に逆さにセットします。超高速回転させてアタッチメントを押し当ててゆっくりと伸ばしていくのです。例えるなら陶芸家が器をぐるぐる回しながら形にしていく、そんなイメージです。1分間に1,400回転、5分間で7,000回転もまわります。やかんがそんなにグルグル回っていたなんてビックリです。
注ぎ口を作っていきます。完成品では全く分からないのですが、実は真ん中で割れていたんですね。知らなかったです。その割れ目を丁寧に溶接していきます。
孔をあけて、注ぎ口を取り付けます。大きい孔を開けてしまうと、水がジャバジャバ流れてしまいます。丁度よい水量になるように小さい孔を数多く開けます。注ぎ口の取り付けはバーナーを前後させて溶接していきます。アルミニウムは融点が660℃と低いので溶接にも細心の注意が必要です。
1つ1つ丁寧に研磨していきます。熟練の職人技が光ります。ピカピカになったやかんも気持ちよさそうです。段々とやかんに近づいてきました。
続いてアルマイト皮膜処理の工程です。脱脂~水洗いを経て、シュウ酸の浴槽で電解処理しながら40分間ほど漬かります。アルミニウムは柔らかく傷つきやすいです。アルマイト皮膜処理をすることで耐久性が飛躍的に増します。やかんの美しい黄金色はこの時に生まれます。水槽からやかんを力強く引き上げる。オオオォ、と思わず歓声があがりました。
蒸缶釜で封孔処理をします。アルマイト皮膜には無数の微細孔があるため、十分な耐食性を確保するために封孔処理を行います。小さい孔をふさぐのですね。ぐるぐる回って水に電気に蒸気にと、やかんも大忙しです。
さらに研磨してピカピカになります。左が研磨後、右が処理前。ぜんぜん輝きが違います。簡単そうに磨いていきますが、ここでも職人技が光っています。
とうとう最終工程です。全体の品質チェックをしながら取っ手を取り付けていきます。最後の梱包作業を体験させて頂きました。袋のかぶせ方や、箱に入れる向きなど気づかないところでも、やかんへの思いやりがありました。
やかん(湯沸)がこんなにも手間と職人技をかけて作られているとは!本当に驚きの連続でした。昨今の大量生産、製造の自動化とは異なる、古きよき日本がここにあります。やかんの製造工程を知ることでますます愛着と親しみが増しました。
今回の工場見学のご縁を頂いたアカオアルミさんには大変に感謝致します。ありがとうございました。
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ぜひ、あなたもマイやかん(湯沸)を手にしてくださいね。